愛知県の植物相の特徴

愛知の野生ランを調べているうちに、愛知の植物相の特徴について書かれている個所があった。

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愛知県に野生状態で生育する維管束植物(種子植物とシダ植物)は、まだ完全な植物目録が完成していないため正確な数を把握できないが、およそ表7の通りである。

日本に本来自生する維管束植物は約7,000種(亜種・変種を含む)であるから、その約3割が愛知県に自生していることになる。
 
この数は、隣接する静岡県や長野県には及ばないが、全国的に見ればそれほど少ない数ではない。

愛知県の最高点は茶臼山の1,415mにすぎないが、それでも中部山岳地帯の南端に位置し、木曽山脈の中心部まで山続きである。天竜川の谷をはさんで、赤石山脈南部とも接している。
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そのため、かなりの温帯性植物や東日本系の植物が、愛知県まで辛うじて到達している。一方、渥美半島は黒潮が洗う温暖な地であり、豊川の谷も冬季の季節風が入らないため温暖で、それなりに暖地性の植物が生育している。

本州脊梁山脈の切れ目に当たる関ヶ原に近いため、太平洋側にありながら、日本海系の植物もいくつか生育している。

地質的には県の南東部を中央構造線が走り、西日本系の植物もある程度見られる。濃尾平野の木曽三川下流部は三角州地帯で、もともとは広大な低湿地が広がっていた場所である。

三河湾は深く内陸に入り込み、水深が浅く、塩湿地が発達している。
このため、低湿地性・塩湿地性の植物も一通り見られる。
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尾張西部から西三河東部にかけての東海層群の丘陵地は森林の発達が悪く、やせ山の中に小湿地が点在しており、東三河にはチャートや流紋岩、石灰岩の岩山、蛇紋岩地などもあって、非森林性植物の宝庫である。 シデコブシ、ホソバシャクナゲ、ナガボナツハゼ、ウラジロギボウシ、シラタマホシクサなどの固有種、ヤチヤナギ、マメナシ、ヒトツバタゴ、ヒメミミカキグサなどの著しい隔離分布種もかなりある。

そのため、愛知県に生育する維管束植物の種類数はかなりの数になる。
しかし、他県から来た人が県内を歩き回ってみても、とてもこれほどの種類数があるとは思えないだろう。
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愛知県は良好な森林が少なく、植物相は一見したところかなり貧弱である。
特徴的な植物は、ほとんどがあちらに1株、こちらに1株というように、僅かに生育しているだけである。
全国的に見れば普通種なのに、愛知県では極めて稀という植物もかなりの数になる。
種類数はまあまああるが、個体数が少ないというのが、愛知県の植物相の基本的な特徴である。





            (出典:レッドデータブック あいち2009より転載)
 
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by katsu-makalu | 2013-02-27 17:27 | Comments(2)
Commented by さな・花の庵 at 2013-02-28 15:43 x
こんにちは。
興味深く拝読させていただきました。
私など、あぁ綺麗だな可愛いなと眺めているだけで反省しきりです。
Commented by katsu-makalu at 2013-02-28 17:36
さな・花の庵 さん
こんにちは~
いつもありがとうございます。
私も全く同じです(笑)。
昨日・今日と暖かい日が続きましたが、明日は春の嵐から冬の嵐となりそうですね。
御地でもセリバオウレン・バイカオウレンと雪の中から顔を出して、季節は確実に春へ・・・