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キンラン・ギンラン・ササバギンラン ―今年見た野生ラン(その12)―

キンラン(金蘭)
雑木林の木洩れ日に照らされて黄金色に輝くさまはまさに金蘭である。
今年2ヶ所で見たがもう1か所あるという場所を探したが見つからなかった・・・
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山や丘陵の林の中に生える地上性のランで、高さ30-70cmの茎の先端に直径1cm程度の明るく鮮やかな黄色の花を総状につける。
花は全開せず、半開き状態のままである。
花弁は5枚で3裂する唇弁には赤褐色の隆起がある。
葉は狭楕円形状で縦方向にしわが多い。
柄は無く茎を抱き、7、8枚が互生する。
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ギンラン(銀蘭)
↑の2枚目と同じ地域であるが、直線距離で1㎞ほど離れている。
金・銀並んで咲いているのを見たいものだ。
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キンランと同属の白花のギンランも同じような場所で同時期に開花するが、近年は雑木林の放置や反対に開発、それに野生ランブームにかかわる乱獲などによってどちらも減少している。
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ササバギンラン(笹葉銀蘭)
これも2ヶ所で見ている
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ギンランに似るが、ササバギンランは花序より葉が高い位置にくるか同じ高さとなる。(ギンランは葉より花序が高くなる)また、ギンランより全体に大型になる。
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キンランの栽培についてこんな記述を見つけた

ラン科植物はラン菌根と呼ばれる独特の菌根を形成し、ほとんどのものは多かれ少なかれ菌根から炭素(エネルギー)を含む栄養分を獲得しているため、その正常な生活には菌根が欠かせない。

多くのラン科植物の場合、菌根菌(ラン科に限ってはラン菌という言葉も習慣的に用いられる)はリゾクトニアなど強い腐生能力を持つ腐生菌であるが、腐生菌は落ち葉や倒木などを栄養源にして生活している。

ところがキンランと共生する菌は腐生菌ではなく、樹木の根に外菌根を形成し、共生している菌であることがごく最近明らかにされた。
外菌根菌の多くは腐生能力を欠き、炭素源を共生相手の樹木に依存しているため、共生相手である特定種の生きた樹木がなければ生存することができない。
そのような菌に炭素源を依存するキンランは、間接的に樹木から栄養を摂取しているとも言える。

従って理論上は菌根性樹木・菌根菌・キンランの三者共生系を構築しなければ栽培できない。自生地からキンランのみを掘って移植した場合には、ほとんどが数年以内に枯死するようである。
by katsu-makalu | 2010-12-10 18:08