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去年の今頃(09.6.18)

コバノトンボソウ
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オカトラノオ
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ネジバナ
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以下に記すものは山梨学院大学やまなし学2007において中村光吉氏の講演
「○○ソウをとおして考える山梨の山」の記録を抜粋したものである。
希少植物保護活動の勉強会(その1)
(1)○○ソウ生息地の仲間
  クモキリソウ:○○ソウとは共生関係が良く、同じ共生菌を利用して○○ソウの近くにある。
  トンボソウ:ラン科植物全体を地面の中でネットワーク化して助けている。トンボソウが
  有ることで他の植物が侵入してくるのが防がれている。トンボソウの葉は一枚だけが
  にょろっと出ているが、葉の下では毎年一本の根をのばして、そこの頭の所から2~3
  の葉を出し、そこからまた分かれていくという性格を持っている。従って花は一本であっ
  ても地面の中では葉と根がどんどん伸びて、地下で巨大なネットワークを作り○○ソウや
  他のラン科植物の存在を助けている。
  ヒメムヨウラン:葉もなく葉緑体を持っていない。キノコのようににょきっと出ていて5日間
  ほどで溶けるようにどんどん枯れていってしまう。ヒメムヨウランのすぐ側に同じ時期にア
  ミガサダケが見られた、直接の因果関係は不明だが、○○ソウ等の共生菌は元々担子菌
  の仲間であり何らかの因果関係が想定される。
  ミズチドリ・テガタチドリ:ミズチドリも結構多く綺麗な白色で、○○ソウが終わった後に咲
  く、続いてテガタチドリが咲き同じ系統で花の格好はよく似ている。それらが順序良く咲く。
  ギボウシ:これはラン科でなくユリ科であるが、○○ソウとは非常にいい関係の植生にある
  と思う。ギボウシの群落では周りに他のものも結構一緒にあり○○ソウも見られる。
(2)○○草にとっての脅威
  テンニンソウはシソ科の仲間で大群落化してしまい、○○ソウのみならず草原植物の脅威
  になっている。温暖化にも強くかってはまばらに○○ソウと一緒に咲いていたが、○○ソウが
  抜かれるたびにいち早くテンニンソウが入ってきてしまい、そこでネットワークを作って他
  の植物を排除してしまう。本来植物界においては匂いを出す植物は他の植物にとって脅
  威である。化学物質を出して自分の仲間以外は排除してしまう。
  カリヤスモドキも○○ソウを排除してしまっている植物である。ススキの仲間だがネズミに
  とって昼間でも上から天敵に見つからない環境である。地面の近くはネズミの行動圏に
  なって他の植物は食べてしまうが、カリヤスモドキを食べることは出来ない。カリヤスモド
  キが増えるとネズミとの共生関係が上手くゆき他の植物が食べられてしまう。
  ヤマドリゼンマイもまた問題があり、他の物が一切生えなくなってしまう。この地だけでな
  く櫛形山などでも非常に勢力を伸ばしている。
by katsu-makalu | 2010-06-15 18:07